第301回 長野県眼科医会集談会・第59回信州臨床眼科研究会 特別講演抄録

緑内障治療アップデート

東京大学医学部眼科学教室 教授 本庄 恵 先生

緑内障は基本的には治療しなければ進行する疾患です。現在エビデンスがある治療は眼圧下降治療のみで、目標眼圧まで眼圧下降し進行抑制を目指します。第一選択の薬物治療では近年様々な作用機序の緑内障治療薬やそれらの配合薬が使用可能となり、多剤併用療法による治療強化が可能となっている一方で、若年からの治療開始、高齢化社会の進行などから緑内障治療期間は延伸し、全身疾患やアレルギー等で薬物治療の継続が困難であったり、薬物治療のみでは十分にコントロールできず治療強化が必要な症例も多くみられます。あと少し眼圧を下げることの重要性も報告されていることから、QOLやアドヒアランスを維持もかんがみて、薬物治療ではより患者さんが継続しやすく緑内障進行を抑制できる薬物選択が必須です。近年は低侵襲な治療強化手段としてレーザー治療や低侵襲緑内障手術が注目されていることから、手術加療とのバランスを考えた治療選択をすることも重要です。本講演では新規作用機序として7年ぶりに第一選択薬として臨床応用された緑内障治療薬の可能性について触れつつ、長期にわたる緑内障治療のなかで、選択肢が増加している薬物治療と手術治療のバランスや、治療選択をアップデートしたいと思います。