第299回 長野県眼科医会集談会・第58回信州臨床眼科研究会
硝子体手術のための新たな取り組み

岐阜大学大学院医学系研究科 感覚運動医学 眼科学 久冨智朗

私は2014年以来で実に11年ぶりの登壇になります。この11年間の歩みと、2025年8月より隣県に赴任し、展望をお話いたします。私は臨床医として、トランスレーショナルリサーチを実践してきました。
硝子体手術では、内境界膜など透明な組織の手術は困難で、私は内境界膜を染色して視覚化する硝子体手術補助剤Brilliant Blue G(BBG)の開発し臨床応用しました。BBGで透明な内境界膜はうすく青色に染色されて、より安全確実かつ短時間で内境界膜剥離が可能になりました。BBGは今では世界で190万人近くの患者さんを助けています。
しかしながら、膜を剥がす手術手技自体は、依然、術者の熟練が必要です。安全性や再現性のため更なる手術術式の改良が求められています。網膜の障害を最小限に抑え網膜面上の膜組織を効率的に除去するために、ヒアルロン酸ゲル化ポリマーを開発しました。患者さんと医師の両方に優しい新しい手術手技の開発に取り組んでいます。