第265回長野県眼科医会集談会 特別講演

「日内変動を考慮した薬物療法」

杏林大学眼科 教授 山田 昌和

コンタクトレンズ(CL)の世界は、使い捨てや頻回交換レンズ、シリコーンハイドロゲルの普及によってこの10数年で大きく変わった。低酸素やレンズの劣化、沈着物による角膜障害は激減し、管理も容易になった。しかしながら 残念なことにCLによる3大合併症であるドライアイ、アレルギー性結膜炎、感染性角膜炎は解決されていない。最近はカラコンの流行によって眼合併症は再び増加傾向となり、医学的にも社会的にも大きな問題になっている。ここでは最近のCLのトレンドを意識しながら、CLに関連するオキュラーサーフェスの問題について述べる。
カラコンが危険な理由はなんだろうか。シリコーンハイドロゲルはドライアイやCL関連乳頭性結膜炎を解決しただろうか。感染性角膜炎のリスクを減らすレンズケアの要点は何だろうか。CLに関連したドライアイはどうしたらうまくマネージできるだろうか。 以上のようなトピックを取り上げ、臨床疫学や基礎医学の知見を交えながら、CL装用で生じるオキュラーサーフェスの問題とその対処法についてまとめてみたい。