第13回 長野県眼科フォーラム 特別講演

「群馬大における加齢黄斑変性の診断と治療」

群馬大学眼科 講師   佐藤 拓

 加齢黄斑変性は近年増加傾向であり稀な疾患ではなくなってきています。日常よく目にするようになった加齢黄斑変性をどのように診断するのか、どのタイミングで専門病院に紹介するのかという問い合わせが増えてます。
 本講演では群馬大学加齢黄斑変性専門外来での診断手順を紹介します。診断に用いる検査として、スペクトラルドメイン光干渉断層計(SDOCT)やHeidelberg Retina Angiograph (HRA) によるフルオレセイン蛍光造影とインドシアニングリーン蛍光造影、また非侵襲的検査である眼底自発蛍光(FAF)を用いて診断の精度を高めるようにしています。
 加齢黄斑変性の治療はここ数年抗血管新生療法の出現により劇的に変化しています。群馬大では基本治療として薬剤併用光線力学的療法(PDT)を行ってきました。時代とともに併用薬はトリアムシノロン、ベバシズマブ、ペガプタニブ、ラニビズマブと変遷してきており、より良い治療効果と患者の負担軽減を模索しています。今回はラニビズマブ併用PDTの最新の結果を他の治療法と比較検討し供覧します。